第四回「ビデオマンザイ part2」 


さて、いざやる漫才なのだが
実際漫才のネタを作るとなると
どうしていいかわからなかった。

見て、面白いと言ったり
つまらないと言うのは簡単なのだが
一から自分が作るとなると大変
であった。 

ここで漫才といったものを説明しておこう。
漫才とコントの違いは何ですか?
と聞かれる事があるが
漫才は複数の人間が舞台上で
会話をするって事である。
コントはそこに喫茶店の店員と客と
いったシチュエーションが入ってきて
軽いお芝居な感じをする事である。
ただ、漫才の最中に喫茶店といった
コントっぽいシチュエーションに
なる事があるが
これは、一応「漫才コント」と呼んでいる。

はっきり言って
きちんとした定義はないが
だいたいはこんなとこである。

後、漫才もコントもシステムとして
重要なのはボケとツッコミといったものだ。
ボケの語源はおじいさんがボケるところからボケ。
ツッコミは会話に突っ込んで行くと
言った意味からツッコミと言われるものだ。

ボケはオオマカに言うと間違ったり
失敗したりって事である。
ツッコミはオオマカに言うと
それを正すのである。

このシステム自体が実は重要なのだ。

理想の高い僕は
それ以外のシステムはないのか?
例えば、ツッコミともっとツッコミ
後、ボケと大ボケ
そんな事をいきなりしようとする癖がある。

またプライドも高いから、
高望みをしてしまう。
そうなると、自分で自分の首を締め
結局何も出来ない。。なんて事もある。

ネタ作りは喫茶店でやった。

相方がまず口で2人の台詞を1人で演じ
僕が笑い筆記するといったスタイルである。
これがよかったのは相手は先輩なので
僕の高望みするネタの事などは無視をし
自分の面白いと言う事を全面に押してくれた。
後輩なので何も言えなかった。
これが実はすごく勉強になった。

僕は自分で自分の首を締めるのはいいのだが
締めすぎてしんどくなり結局一歩も
踏み出せないなんて事がある。
でも、先輩の手前
今までのシステムで
何も言わず、まずやってみる
と言った状況は今から思うと正解であった。

漫才の醍醐味であるポジション作りの関係だが
彼がボケで僕がツッコミであった。
ツッコミはボケを正すと同時に
お客さんが思ってる事を代弁する役でもある。
ここは、その場の常識を瞬時に察知しないといけない。
あっさり書いたが、実はこれが重要なポイントを占める。

ロボットとの漫才でもこの経験が
いかに効いてきたかって事だ。

が、この時はそんな事はわからず
相方のボケに対して、正すといった行為だけを
ツッコミと思っていた。

また、漫才を台詞に起こしてみると
会話のように見えて会話ではないのである。
厳密に言うと、
会話に似せた会話なのだ。
なのでみなさんも日常会話で
30分に一回くらいはどんな会話でも笑いはある
その笑い所だけをピックアップし
他は省略し、1分の会話に見立てた
会話に見せるといった事をしないといけない。
これものちのちロボットと
漫才をするのに役にたった事である。

後は身体的演技である。
会話に似せた会話といえど、演技はいる。
コントではないから役柄は、ないにせよ
会話に似た会話の演技である。
横をむくタイミングは、どれが一番自然に見えるか?
会話に似た会話と言った不自然な会話を自然に見せるには
ここは、演技力しかない。
身体的演技が必要とされる。
これものちのちの為の勉強になった。

これらすべて今までのシステムとは言え
基本なのだ。
この基本が出来ぬまま今までのシステムにない事
と言っても今までのシステムがわかってこそ
崩せたり排除できたりするもんだとわかった。

意外にも組んで4日目と言った猛特訓で
今宮戎新人漫才大賞をとったもんだから自分でもびっくりした。

この快挙がのちのちの仇になって返ってきた。